∮ファースト・ラブ∮


有り得ないことなのにね…………。






恥ずかしい。






麻生先輩があたしを好きになるなんて……ないのに……。




『ぼくはね、女性らしい女の子が好きなんだよ。

弱音を吐かない君の様な娘は嫌いでね』



残酷に笑う麻生先輩の声があたしの胸を突き刺す。



『はじめは面白いと思ったけど……やっぱり飽きたよ』




「飽きた……だって……。

女性らしい女の子が好きなんだって…………ふっふぇ……っ」












ばかみたい。







「こんな……こんなお転婆娘(おてんばむすめ)……好きになってくれるはずないじゃん。

それでも……側にいたいなんて……ばっかみたい」



言えば、涙はまた、あふれてくる。


「う…………うわああああああああああああん!!」