∮ファースト・ラブ∮


「放課後、正門前で待ってるね」



先輩は、あたしの返事を聞こうともしないで5組の教室から出て行った。


その後は大変だった。


クラスの女子から質問攻め。


『どうやって麻生先輩に告白したのか』とか。

『いつ告白したのか』とか。

『返事の仕方はどうだったのか』とか。



そんなの、覚えてないよ。


だって、玉砕(ぎょくさい)……はする気なかったけど、

でも、絶対ないとは言い切れなかったし。


なんたって、あたしは麻生先輩から見てみれば、まだまだ子供なわけで……。



麻生先輩の彼女さんは、みんなとても綺麗なひとばっかりだったから……。



それに……あたしは彼女になれたけど、でも、先輩は多分、浮気すると思うし……。


あたしなんて、彼女その1にしかすぎないだろうから。



あ、なんか自分で思って自分で傷ついた。



あ――――!!

もう、やめやめ!!


こんな辛気臭いのはあたしじゃない!!

そうだよ。

あたしは明るいのが取り柄なんだから!!