愛しき人

「みさきっ」

片瀬をなれなれしく呼ぶ男が現れた・・・

こいつ、確か、前に会社の前で、片瀬と抱き合っていた奴だ・・・
ってことは元カレか?!!

でも、オレが口をはさむことはできない。オレは彼氏ではないから・・・ただの、上司だから・・・


でも、元カレが片瀬に投げつける言葉は、あまりにもひどいものだった。

片瀬がお前を忘れていないと・・・


オレにも限界が来ていた。

そして、オレは、上司として、口を開いた・・・

「すいませんが、これから仕事に戻らないといけないので、そのくらいで話は終わりにしていただけませんか?」
 課長が話しかけた・・・・

「なに、あんた??」

「私、片瀬くんの上司です。仕事中ですので・・・」

「仕事ねぇー。仕事中に女の子とランチですか?」

「えー。仕事中でも、お昼御飯をとる休憩時間はありますから・・・」

「へぇー・・・」

『もう、いい加減にしてよ。課長行きましょう・・・』

「また、連絡するよ。みさき!!」


そんな会話が飛んでいた・・・

オレの頭の中では奴をなぐったやりたい衝動があった。それを抑えたのが、片瀬の『・・・・・課長いきましょう・・・』だった。