愛しき人

俊哉が口を開いた・・・

「突然訪問して、いきなりとは思いますが・・・
私、美咲さんと真剣に交際をしております。美咲さんとの結婚をご了承いただけませんでしょうか?」

「なるみくん、私は美咲が自分から望んでいるなら、反対はしないよ。
ただし、この子は社長の娘というだけで、とても苦労をしてきたんだ。
だから、普通の会社員との結婚をするのがよいかと考えていたんだよ。」


「・・・・・」

「お父さん、それなら、大丈夫ですよ・・・」
 部屋からきた兄が言った・・・・

「どういうことかな?」

「俊哉くん。父に君のことを話すがいいかな?」

「はい。」

「俊哉くんは美咲と同じなんだよ。今はABCの企画開発部で課長をしている。もちろん母方の姓を名乗って・・・だから、二人が知り合ったのは、上司と部下の関係・・・その中で、二人が付き合い始めたんだ・・・きっとお互いの親の事を知ったのはつい最近だと思うよ。」

「そうなのか?なるみくん」

「はい。実は昨日、みさきさんから告げられました・・・でも、告げられる前に、プロポーズをしたんです。片瀬美咲さんに・・・」

「そうだったのか・・・」

『お父さん・お母さん、私どうしても彼と一緒になりたいの・・・お願い』

「・・・・・」

「私は反対はしないわ。美咲の好きな人がたまた企業の息子さんだったんでしょ。でも、これから、俊哉さんは社長になるのでしょうから、社長夫人とになる自覚は持ってから結婚はしなさい。」

『おかあさん・・・』

「母さんは格好苦労したんだ・・・でも、美咲は母さんほど苦労はないと思うが、いいか、社長というのはお金持ちになることだけではない。何千・何万という社員そして家族を養う義務があるんだ。こければ、社員は路頭に迷う。つらいことも多いぞ。いいのか・・・もちろん、今後鳴海くんと結婚すれば、うちの会社はABCの全面バックアップをするがな・・・大切な娘が少しでも楽出来るように・・・

鳴海くん、娘を頼む。わがままに育ったの私たちの責任だから、美咲を責めないでやってくれよ・・・」

『おとうさん・・・・ありがとう・・・』

「お父さん。必ず、美咲さんを幸せにします。」