モノクローム

 

おいでおいでのジェスチャーだから、入っていいんだろう。



「おはようございます」


「おはようさん。まぁ座れや」


「はい」



丸椅子に座るように促され、私は見た目30台の男の先生を前に座った。



「御津村 結縁さん、でよかった?」


「はい」


「えーっと、俺が御津村の担任になる岩瀬ね。クラスはC組。問題児が多いクラスだけど、まぁなんとかなるだろ」


「なんとかします」



なんて他人任せな……他人事のほうがあってるかな。


言われなくても、ここは問題児だらけだろうなってことはわかってたし、なんとかしようとは思ってたけど。先生に助けを求めようとも思ってなかったし。


岩瀬先生は私の言葉が予想外だったのか、少し驚いた顔をしていた。しかし、すぐになんともだるそうな顔に戻る。



「教材はその教科ごとの先生が持ってきてくれるから、その時その時で受け取ること。あと、面倒ごとは起こすなよ」


「努力します」


「そこははいって言ってくれ……」



何が起こるかわからないんだし、はいなんて言っても保証できないからねぇ。

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