モノクローム

 

バイクに目をとられていると、腰に圧迫感を感じ、全身に浮遊感を感じた。


何かと思えば、



「なになになになにっ」


「暴れるな」



隼人に抱っこされていました。


そのままバイクの後ろに座らされ、隼人は前に乗った。


誰かに見られていないかと急いでまわりを見渡すが、みんな自分のバイクの準備で忙しそう。



「しっかり捕まってろよ」


「隼人の腰に抱きついていい?」


「……あぁ」



なんか嫌そうだな。


思いっきり抱きついてやる。


まだ走りだしていないが、試しに抱きついてみた。



「…………」



反応なし。


つまらん。



「いーなー。ユエちゃんに抱きついてもらえるなんて」



隣のバイクに乗っている奏太の声にも耳を貸さず、隼人は後ろに振り向いた。


月明かりに照らされた顔と、黒染でもしたのか、少し赤みがかった髪が風になびいていて……。


きれいだと思った。



「行くぞ」



小さく、しかしメンバーには聞き届けられ、歓声がわいた。



「捕まってろ」



隼人に声をかけられ、見とれていた私はそのこと自体を忘れるかのように必死に抱きついた。

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