モノクローム

 

ソファには別の猫が二匹、寛いでいた。ドアを開ける音で、二匹ともこちらを向いた。



「ただいま」



体が小ぶりなほうがシュー。中くらいがロール。ちなみにタルトが一番大きい。


この三匹が、私の今の家族。


タルトを下ろし、私はキッチンで買ってきたドリアを電子レンジで温める。


温めている間、タルトたちのお昼ご飯をそれぞれのお皿に盛って、リビングに持っていく。



「ほーら、たんと食えー」



三匹は待っていましたといわんばかりにご飯にがっつき、たまに隣の皿の餌を食べようとしていた。


私は私で温めたドリアを食べ、これからする段ボールの片付けのことを考えていた。









規定の登校時間より早めに来た。


見覚えのない、外見が目立つ私が規定の時間に来たら、他の生徒からの視線を浴びるのは確実だろうし。注目されるのは好きじゃない。


誰もいない廊下を歩き、職員室に来た。



「失礼します。今日から転入させていただきます、御津村です」


「あー、こっちこっち」



開いた扉から少し奥の、書類やらファイルが積み重なっているところから手だけが見えている。

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