「猫は?」
「OKです」
「洗濯とかお風呂は?」
「一応、両方とも用意した部屋に完備してあります。男と一緒は嫌でしょう」
朝の洗濯は男物と一緒にしたけどね。
「期限は?」
「すくなくとも二週間……多くて一ヵ月ですかね」
「そんなに……」
引っ越してきて、荷物片付けたばかりなのに……私は転勤族か……。
「巻き込んでしまって申し訳ないとは思います。だからこその手段てす。そうしたほうがあなたのことを守りやすいんですよ」
守る、ね……。
かっこいいね。
昨日は守れなくて弱ってたくせに。
「今日の昼、家に帰ったら荷物をまとめろ」
「拒否権は?」
「まとめろ」
それはないってことですね。新谷くん。
「ユエちゃんと一日一緒だー! 僕うれしい!」
隣に座っていた飯塚くんが巻き付いてきたが、今の私にはそのテンションについていくことができなそうだ。
「はぁ……、もう。わかりました。大人しく新谷くんや柊くん言うとおりにします」
「隼人だ」
「僕も、紫苑で構いません」
「奏太って呼んで?」
「……社央……」
ずっと寝てたくせになぜ今反応するか。この眠りの王子。
これからはプリンスって呼んでやろう。
「わかったか。」
「う?」
「名前で呼ぶんだ」
「あぁ、はい。わかりました」
「敬語もなしだ」
「……へーい」
……私は何でココに転校してきたんだろう。
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