モノクローム

 

「溜り場なら学校の行き帰り、僕たちの誰かが着いているので襲われても一先ずは安心です。そして、夜でも溜り場には人がいます。いくら卑怯な『雷御』でも、溜り場に乗り込んでくるほどバカじゃありません」


「いやでも、住宅街にいたほうがその『雷御』の人たちも迂闊に手は出せないんじゃ……」


「住宅街だからこそ、です。御津村さんの住んでいる場所は溜り場とは正反対の方向に位置してあります。

 それに、家の周囲にはそういう対策がしてありません。あれではすぐに家に入ってきてしまいます。入ってきたのに気付いた近所の人に、危険が及ばないとも限らないんです。

 だから、僕たちの溜り場にいるのが一番安全なんですよ」



そんなこと言われたって……すぐに決められるはずがない。


猫たちだっているし、環境がコロコロ変わるのも嫌。それに、暴走族には関わらないようにしたかったし……。


ていうか、溜り場に女の人っているの?


そもそも部屋は?



「……いくつか質問しても?」


「どうぞ」


「個室はありますか?」


「御津村さん用の部屋を用意してあります」



ねぇ。用意してあるって何? 拒否権ないってこと?

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