モノクローム

 

来たのは、女子トイレ。


やだなぁ……定番すぎる。


奥に入ればやはり、私は壁側に一人立たされ、取り囲むように立つリーダー含め六人。



「あなた、調子乗りすぎよ」


「は?」



リーダーヤマンバは主語という言葉を知らないのだろうか?


おまけに、私の言葉がなんの引き金になったのか、険しかった顔がより険しくなった。



「とぼけるんじゃないわよ! 『影炎』の人たちに近づきすぎなのよ!」


「はぁ?」



『影炎』……近づきすぎ……?


え、まさかあの人たちが『影炎』?



「奏太くんに紫苑くん……。お昼を一緒に食べた。しかも今日はそろって登校? 転校生のくせにでしゃばりすぎなのよ! 身の程を知りなさい!!」


「…………ぶっ」


「な、何よ!? 何笑ってんのよ!!」


「い、いや……っ、て、転校生に身の程って……そんなに入学式からこの学校に通ってることが名誉なことな……ははっ」


「っ! 少なくとも! この学校に長くいるアタシたちのほうがあの人たちのことをよく知ってるわ! 何も知らないあなたよりずっとね!」



何言っているの? この人は。


そんなに必死になって言うこと?


あーおもしろい。

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