モノクローム

 

あれ……残ってない……。


みんな食べちゃったのか。



「ん」


「ん?」


「あんたの分」



大きいお皿ばかりを見ていて気付かなかった。


最初におにぎりだけが乗っていた小さいお皿に、おにぎりとホットサンドがいくつか乗っている。


それを、新谷くんが持ちあげている。


自分の目線の真下にあったから気が付かなかったのか。



「取っておいてくれたんですか? ありがとうございます」


「いや……」



それだけ言うと、彼もみんなのあとをついていってしまった。


キングがいないのは誰かがおぶってたのかな。柊くんもいないし。



「……ん。おいし」



取り置いてくれたホットサンドを一口食べた。


チーズとレタスとトマトを入れただけだった奴だけど、この組み合わせが私は好き。


最初に噛った一つを食べたから、いったんコップと大皿を片付けてからまた食べよう。


アイロンも片付けなきゃ。


そしたら今度は制服に着替えて荷物も下ろしてこよう。


あ、二階に行く前にキングに暇つぶしのリクエストを聞いてみよう。


答えてくれるかな?

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