モノクローム

 

んー、あと半分。終わるかなぁ。



「ゆっえっちゃーん! おはよー!」


「おはようございます」



朝から元気だな、飯塚くん。


部屋に入ってきたときに見えたけど、後ろの髪の一束が寝癖で跳ねてるのに気付いてるのかな?


飯塚くんが入ってきたリビングの扉の向こうから、人の気配が……。



「……重」


「いやーごくろうだったな社央」


「落とすよ?」


「全員揃いました」



みんな起きてきた。


名島 社央くんはまだ眠そう……いや、いつもあんな感じの顔だったかな?



「ユエちゃん! これ食べてもいいの!?」



さすが、昨日のお昼も一番に食べてたことはある。


飯塚くんは身体をテーブルの上に乗り出し、返事もしていないのにどれを食べようか吟味している。


……味のレパートリーはそんなにないよ。



「どうぞ。みんな足りるかはわからないけど……」


「この中で大食いなのは奏太だけで、あとのみんなは普通か小食ですから、十分足りますよ」


「それならよかったです。今麦茶入れますね」



アイロン台から離れ、私はキッチンで昨日と同じように麦茶を入れる。

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