「もうお昼の時間だから、僕友達のとこ行くね。気を付けてね!」
「さよーなら」
駆けていく飯塚くんを見送っていると、息子か弟ができた感覚になるなぁ。
「……腹減ったし、帰るか」
すっかり騒がしくなった学校を静かに後にし、コンビニによってから帰ることにした。
お昼ご飯はドリアがいいな……なんて考えながらコンビニの近くまで来たのはいいが、そこからが問題だった。
いかにも俺たち悪いですなんて雰囲気を出している不良くんたちが、コンビニの前でたむろしている。
別のコンビニに行こうか。それだと家通り過ぎるんだよなぁ。めんどくさいなぁ。
「暇そうだね」
不良の一人が話し掛けてきた。
考えてる間に私に気付いたのか。うわーめんどくさー。
「どうしたの? 暇なら遊ぼうよ」
「そいつタラシだから気を付けなよ女子こーせー!」
「うるっせぇ! 余計なこと言うな!」
忠告ありがとう。見た目からわかりますよ。もっと言えばあなたのほうがタラシっぽいですよ。
「ほら、行こうよ」
目の前の男の手が、私の肩に伸びてきた。
……こいつ、香水臭い。
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