モノクローム

 

「ごちそーさまでした!」



飯塚くんの元気な声を聞いて、彼はもう吹っ切れたようだった。


他の三人も、いつもと同じ表情をしている。



「ごちそうさまでした。本当にお世話になりました」


「いいんですよ。せっかく同じクラスになったんですし、何かの縁ですよ」



柊くんは本当に礼儀正しくて真摯な人だ。


けど、それは逆に言えば、一線をひかれているともとれるのでは……?



「今度」



新谷くんが、突然話を始めた。



「今度、ちゃんと礼をする」


「そうだね。ユエちゃん何がいいー?」



お礼とは、今日のことだろうか。



「いりません。好きでやったことですし」


「何でもいいんです。何かさせてください」


「柊くんまで……」


「食物か」


「いやいや、どうしてですか」



名島 社央くん。あなたは何をお考えなの?


みんなも……そんなにこっちを見続けないで。目は口ほどにものを言うんだから。何が言いたいのか痛いほどわかるから。



「じ、じゃあ、今は保留にさせてください。思いついたら言いますから」


「……わかった」



言い出しっぺが納得してくれた……よかった。

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