モノクローム

 

この人たちは、喧嘩はチームプレイだと思っているのかしらね。



「これから言うことは、ただの私の見解です。否定するならどうぞ否定してください」



三人が私を見た。


私は息を吸い。



「喧嘩は個人でするものよ。その場に味方が複数人いて、背中を任している、としても、あくまで個人戦なのよ。自分の身は自分で守らなくちゃいけない。

 誰か一人が弱くて……傷ついたとして、それは自分のせいだ、強くならなくちゃと思うのは被害妄想よ。いくら周りが強くなったって、その人自身が強くならなくちゃまた怪我をするだけよ」



簡潔にまとめて、言いたいことを言った。


目の前の三人は驚いているようだけど、ちゃんと理解したのかな?


後ろに隠れてる一人も、顔が見えないからどうとも言えないけど。



「さて、独り言は終わりっ。何か食べますか? 喧嘩したりあの人を心配したり、お腹すいてません?」



…………答えろよ。



「はいっ! いつまでもぼーっとしてないでください。食べるんですか? 食べないんですか?」


「いっ、いただきます……」



手を鳴らして、三人とたぶんもう一人を覚醒させて、ようやく柊くんが返事をくれた。


さて、何を作ろうな。

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