モノクローム

 

バイクが止まったのは、私の家からコンビニに行くのとは正反対の方向に位置する公園。


けど、私の家からこの公園へは、コンビニに行くよりも近かった。


砂やごみ箱が荒れていることから、ここで喧嘩をしたのだろう。


ベンチに横たわっているキング。それを囲む飯塚くん、新谷くん、そして名島 社央くん。



「誰でもいいですから、理央をおぶってこちらへ来てください! 御津村さんの家へ行きます!」


「えっ、ユエちゃん!? どーいうこと!?」


「詳しい話はあとでします!」


「喧嘩相手の応援がくるかもだから、急いだ方がいいですよー」



そこまで頭が回っていたのかいなかったのかはわからないが、キングのことは新谷くんがさっさとおぶった。


バイクに乗ったままの私は、柊くんにナビしながら後ろで着いてきているかを確認。


ようやく家に着いたところで、バイクから降りた私は家の玄関を開けた。



「にゃー」



タルトのお出迎えがあったが、今はそれどころではない。



「ごめんねタルト。今はこっちにいてね」


「にゃー」



タルトをリビングに残し、ドアを閉めた。玄関に戻れば、柊くんたちはもうすでにきていた。

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