明るすぎない金髪の前髪をピンで留めて、露(あらわ)になっている顔はあどけなくて可愛らしい。一応男なんだろうけど、男にしておくのはもったいない。



「僕はちゃんとここに在席してるの! ほら!」



突き出してきたのは学生証。私が今日もらったものと一緒だった。



「二年の飯塚 奏太(いいづか かなた)くんね。これからよろしくお願いします」


「てことは、同じ二年生?」


「そうですよ。転校生の御津村 結縁です」


「そっかー! これからよろしくねーっ」



人懐っこい笑顔で受け入れてくれた新しい友達第一号は、なんとも子どもっぽい。


これはこれで人気ありそうだなぁ。



「ユエちゃんはどこ行こうとしてたのー?」


「用が済んだので帰ろうかと」


「ん? 授業は?」


「私は明日からです。クラスもまだ知らされていないので、もし同じクラスになったら色々と教えてください」


「クラスが違ってもなんでも聞いて! 慣れるまで手伝ってあげる!」


「ありがとうございます」



話が一区切りしたところで、機械的な鐘の音が鳴り響いた。同時に学校中が騒つき始めたので、授業終了の合図だったのだろう。

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