「理央が怪我をしてしまって……このコンビニに医療品は揃っていますか?」
バイクに座りながら話す柊くんは、答えによってはまたすぐにでれるようにしているんだと思う。
「一通りは揃ってますけど、なんなら私の家にきますか? ここよりかは医療品揃ってますし、一人暮らしなので怪我したことを内緒にもできます」
たぶん、喧嘩だろう。キングが怪我をしたのは。
だからこその提案だった。
柊くんがここに来れたのは喧嘩が終わったからだと考えるのが妥当。
終わったとしても、喧嘩したその場にキングがいるのであれば危険だ。
応援を呼びに行った奴がいないとも限らないのだから。
「しかしっ」
「外にいるより家の中にいたほうが色々と安全ですよ。柊くんも怪我をしているようですし、とにかく連れていってください」
「……っ、お願いします」
柊くんはさっきから横腹を押さえていた。
まぁ、喧嘩なんだし、怪我の一つや二つ、不思議じゃない。
私は柊くんの乗るバイクの後ろに乗って、風を心地よく感じていた。
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