モノクローム

 

私も座って食べようかと思う。


フェンス側には同じクラスの黒髪とオレンジ髪、それとキング(理央)。


そこから少し離れたところに柊くんと飯塚くん。


うん。柊くんたちのほうが安全で無難だね。


私は飯塚くんの隣に座り、自分のお弁当を広げた。



「ユエちゃんは、しーちゃんのことはもう知ってるんだよね?」


「柊くんのこと?」


「そだよー。紫苑だからしーちゃんなのー」


「うん。朝、お世話になったばかりです」


「そんなでもないですよ」



爽やかな笑顔だな。



「じゃああっちの三人の名前だけ言っちゃうね」



一番左、さっき喧嘩を売ってきた赤髪が名島 理央(なじま りお)。


真ん中の黒髪、さっきキングを止めたのが新谷 隼人(あらや はやと)。


一番右で一言も話していない、大の字で寝ているオレンジ頭が名島 社央(なじま しゃお)。


赤とオレンジ、つまり理央と社央は双子なんだとか。


確かに似てるけど、中身は真逆っぽいな。



「おい、何俺名前まで言ってんだ」


「いいでしょー。名前わかってないといざ呼ぶときに不便だしー」


「呼ばれてたまるか」



キングは、私の絡むことはことごとく嫌らしい。

.