モノクローム

 

飯塚くんは手に持っていたビニール袋を持ち上げ、輝かしい笑顔で聞いてきた。


正直どこで食べるかも迷うところだし、ここは甘えさせてもらおう。



「じゃあ、ご一緒させてください」


「うんうん! みんなで食べたほうがおいしいしね!」



みんな、って誰だろう。


さっきのしーちゃんって人かな。



「あ、いい忘れてたけど、僕の友達も一緒にいるよ? 大丈夫?」


「基本的にはどんな人でも大丈夫です。その人たちが嫌がれば私は別の場所に行くだけです」


「嫌がるなんてしないよ! 若干一名はわかんないけど!」



自信満々にそういう不安なことを言われるとむしろ清々しいな。


私もお弁当を持ち、手を引く飯塚くんに着いていった。


階段を上った先にあるのは、見るからに重そうな扉と立入禁止とかかれたプレート。


……壊されてるけどね。



「屋上で食べるご飯は最高だよー」



飯塚くんはプレートの存在を無視し、ドアを開けた。


新鮮な空気が私を囲む。


引かれるがままに、私は外の世界へと足をのばした。

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