「志紀さんわお前に危ない目にあわせたくないから先帰れって言ったんじゃないかな…。もう少しで暗くなるし…」



「…」



空が無言で首を少し、ほんの少し縦に振った。



「だから悲しい顔するなよな。志紀さんが悲しい顔をするぞ??」



そしたらさっきと違って



「うん…」



しっかりと返事をした。



「結城??」



空が俺の方に少し体を寄せた。



「何??」



「ありがと…」



聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で言った。