年下の君にベタ惚れ中【完】

俺って鈍感だな。



俺がそう言うと和弥はえって顔をしてから




「もしかして電車の…」




不安そうにそうつぶやいた。




「そう」




女友達で唯一こいつには俺が空さんが好きって事を言っていた。




どうしていいか分からなくてよく、和弥に相談してたっけ。



俺、あん時かなりお前に支えられてたよな。




「そっか、結城はモテるね」



切なそうに彼女は笑った。



なぁ、こんな時ってほんと、どうしたらいいんだよ?




「…そんなことねぇよ」


俺はそれしか言えなかった。



他の奴ならもっと気がきいたセリフでも言うんだろうけど…。



俺には無理だった。




「そんな事あるよ!」



と和弥が言った時、リビングから実羽が顔を出してきた。



興味津々そうな顔で俺たちを見ている。