【十の瞳】




「ファニーさん! 


戻ってください!」


「何だよ! 結局あんたも来てんじゃん!」


「あなたの事が心配だから来たんです! 


ほら、戻りましょう!」


「はっ、どうせ全身ずぶ濡れなんだから、もういいじゃん。


行けるとこまで行ってみようぜ。


もしかしたら、向こう側に誰か来てるかもしんねーし……」


「でも……」


「コロ様、ファニー様……!」
 

後方から、声をかけられた。


見れば、雨合羽を着た藤浦さんと、えどがぁさんが小走りになって追いかけてきていた。
 

結局、ファニーペインの言う事にも一理あるという事で、


僕等四人は土砂のところまで様子を見に行くことになった。


雨は、叩き付けるような凄まじさだった。


呼吸がままならない。


落ち着けるように何度も息を吸うが、雨粒まで口に入れてしまい、咳き込んだ。


濡れた衣服は体にべたりと纏わり付き、動きを重く阻む。


足元は歩みを進める度にめちゃくちゃになり、ズボンもスニーカーも濁った泥水の洗礼を受けた。