すると、彼女の表情が、わずかに変化した。
「ん? ちょっと待って……」
蝶子が、何かを思い出そうとして、眉根を寄せた。
「だから、何も引っ叩こうとか、咎めるつもりなんて、こっちにも無いのよ!
でも、こんな非常事態なのよ?
責任者が出て来ないでどうするのよ」
八野が、ひと際甲高い声で喚いた。
さすがに、他のメンバー達も、その迫力に引いてしまっている。
しかし、八野では埒が明かないと思ってか、えどがぁさんが割って入り、質問を始めた。
「藤浦さん、もしかしてマスターは、この屋敷にはいらっしゃられないんですか?」
「いえ、離れの自室におられるはずです」
「なら、状況が状況ですし、私達を招待した以上、責任はマスターにあるはずです。
多少なりとも、出てくるのが筋というものでは……?」



