【十の瞳】

 


階段は、悪臭を放つ血だまりができていた。


十二愛は、もはや靴もスカートも汚れることを厭わず、その階段を下った。


ボリュームのあるスカートが両脇に引っかかる。


だが、手で押さえればさほど問題はなかった。


細身のえどがぁもそれに続く。


グースは狭いスペースにお腹がつかえ、どうにも階下へ行くことはできそうになかった。


彼だけ部屋で待つことになった。
 

隠し部屋は、マスターの自室となっていた。


書類の積み重なった机や、ベッド、本棚、そして何より壁一面に貼られた、『彼』の写真が、それを物語っていた。






マスターはこの部屋で、数々の謎の物語を生み出していたのだった。