どのカードがジジか分からないので、誰も表情を変えない。 なんとも、スリルに欠けたゲームだなぁと思った。 けれど……終盤にさしかかって、僕は異和感を覚えた。 その異和感は、不吉な予感へと変わる。 「あ、俺、あがり」 ――僕の手元には、一枚、カードが残っていた。 一瞬の沈黙。 僕は、箱に隠された、最初の一枚を抜き取って、自分の持っていたカードと合わせて皆に見せた。 「僕、負けたみたい……」 はじめて負けた。 僕の手の中で、二人のジャックが嘲笑っていた。 トランプは、これでお開きとなった。