室内に、緊迫した空気が漂う。


「今日は、全員で同じ部屋にいよう……。


お互いに、監視し合うんだ。


それならきっと、犯人だって下手に動けないさ。


――まず、タキさんに事情を話そう。


それから、ベッドをここに運んで……無理ならソファーでもいい。


順番を決めて、仮眠もここでとるんだ」
 

全員が頷いた。
 


あの八野でさえ、文句一つ言わなかった。


確かにそれが、一番安全だろう。
 

僕達は、篭城の準備を始めた。
 

しばらくは、バタバタとしていた。
 

やがて、グースがラジオを見て悲鳴を上げた。


「どうしたんですか?」
 

僕が駆け寄ると、グースは銀色の細長い棒を掲げ、


「こっここ、これが……アンテナが、折れて……!」
 


ラジオに取り付けられていたはずのアンテナは、本体からもげていた。
 

瞬間的に、ファニーペインがグースに掴みかかった。



「テメーがやったのかよ!」