【短編】辛辣彼氏





気付いたときは既に遅く、辛さが口の中で充満していて焼けるほど痛い。




「からっ…ぶっ!!」




いったいこの辛さはなんなのだと起き上がろうとしたら、陵駕がいきなり手でわたしの口を覆った。





「吐き出すなよ。吐き出したら、殺す」




えぇぇぇぇぇぇぇ!?いったい何!?




さっきの夢心地のディープキスから一変し、わたしには辛い辛い現実が待っていた。




口の中がすっごく辛く、しかも陵駕の手で覆われてるせいで口を開けることも叶わない。




いったい何なんだと涙目になりながら、舌で口の中を探ってみると、何か硬いものにあたった。




舐めてみるとすっごく辛い。




どうやら口の中の辛さはこの硬い物体からきてるようだ。




さっき陵駕が吐き出すなっていったのはこれのことか…




でもこの辛さはいったい…、もしかして唐辛子!?




辛いものが大の苦手のわたしは血の気が一気にサーっと引いた。