【短編】辛辣彼氏





って、ん?




なんか少しずつ顔が、顔が、近づいてるような…




えぇ!?う、嘘でしょう!?




オロオロしてる間に唇に柔らかい感触が触れた。




ひっ!!




思わず心の中で悲鳴をあげてしまった瞬間、ぬめっとしたものが口の中に入ってきた。





なっ…、ここここここここれってまさか…あああああ憧れのディープ…




えぇぇぇ!?なんでいきなり!?




いつもならわたしが『キスして』って可愛くおねだりしても、まず『えーっ…』って嫌そうな顔して断って、それでも諦めきれないわたしが何度もしつこく『してして』と言ったら、鞄でわたしの頭を叩きながら『うるさい』って冷たく言って、最後にわたしがついに泣き出すとめんどくさそうな顔で仕方なく唇に触れるだけのキスを嫌々してくれるっていうのに…




なんで今日は自分から!?




と混乱しながら、初めてのべろチューというのはこんな辛いのかぁ…としみじみ思った。









………んっ?辛い?