【短編】辛辣彼氏





いつもならうきうきキュルルンと笑顔で振り向くんだけど、今日は振り向くのが怖い。




うぅ…、どうしよう…




嬉しいのか怖いのかと複雑な気持ちで足音が近づいてくるのを待っていたら、その足音の持ち主は普通にわたしの横を通っていった。





んっ…?




前を見ると、さっきまで後ろにいたはずの人が前にいる。




って、ちょっとーーーー!!!





「なんで、そのままスルーなんですか!?」




今起こったことが信じられずそう叫ぶと、前の人がピタリと止まり振り返ってきた。





「なに?」




「なにじゃないですよ!!なに、普通にスルー!?わたしが目の前で歩いてるのに挨拶もなしですか!!」





「…なんで?」





な、なんで!?




本当にそう思ってるのか陵駕は不機嫌そうな顔をこちらに向けた。




うぅ、不機嫌そうな顔もかっこいい…じゃなくて