「ありがとう」が言えなくて

この時は、どうして女子が悲鳴をあげているのか分からなかった。

すると、彼はあたしに手を差し出して

「大丈夫?」
と、聞いてきた。
彼は、金髪にピアス。いかにも不良だ。

なのに、その整った顔つき。
この瞬間、あたしは顔が真っ赤になった。