――私、吉井 涼歌。



(よしい すずか)



中学に入学したばかりで


歌を歌うのが大好きな



12歳のごくごく普通の女の子。



でも



小学校の時からずっと



好きだった人がいる。 



その人の名前は


『神門 流』。



(みかど りゅう) 



頭脳優秀でカッコよくて


モテる。



そんな彼に恋をして



うまくいくわけない。




「はぁ~……どうしたらいいんだろう?」



「どうしたの~? 



涼歌らしくなくね?」



「まぁね~……。



いろいろありまして」



口からは


ため息ばかりが



出ていた。