ここは清楼学園、二年A組。
 今は国語の授業をしていた。

 先生が喋りながら黒板を書いていく。
 先生は書き終えると、生徒の方を振り向いた。

「えー、ここの文を……小林読んでください」

「なんであたしなんですか!」

「順番から考えて小林だろう!」

 その時だった、コンコンと教室の扉が叩かれた。
 騒いでいた女の子と先生、教室の皆が扉を見る。

 ゆっくりとガラガラ扉が開いた。

 そこには息をきらして、肩で息をしている光輝が立っていた。

「お、おふ、れあ、ふぐ」

「……落ち着け」

「日本語喋れよー!」

 先生が苦笑いしながら光輝に声をかける。
 先生にさされていた小林亜樹が笑いながら光輝を指差す。
 
「コラッ、小林。静かにしなさい」

「ハハッ……はーい」

 光輝は落ち着くと先生に遅刻しましたと一言。
 先生は何故だと聞き返す。

 寝坊ですと答える。

 本当はもっと早く起きたのですが……。
 踏み切りのせいで余計遅くなりましたと言い訳つけて。