チリリリリリ……。

「ん……」

 チリリリリリリリ……。

「んん……」

 チリリリリリリリリリリ!!

「うっせぇ!」

 俺の右手が目覚まし時計を叩く。
 目覚まし時計は床へコロンと転がり静かになった。

 俺は布団の中へモゾモゾ潜る。


 ……ん?
 何故、目覚まし時計が……。

 俺はパチッと目が覚め、体を起こす。
 そして扉の真横にかけてあるカレンダーを見る。

「……あり? 今日はいくんちだっけ」

 ベッドの下に置いてあった鞄の中から携帯を取り出す。
 そして待ち受け画面を覗く。


「今日学校じゃねぇか!」

 急いで床に転がっている目覚まし時計を手に取る。
 時間十時二十五分。

 あ、完璧に遅刻しちまった。