原田はこの二人が大好きだった。徳二郎が残した忘れ形見は、今年で六歳になっていた。男の子の海渡(カイト)は活発でワンパク盛りでとても人なつっこい。女の子の海都(ミト)の方は、実際の年よりも大人びており、とても対照的な双子だった。だが、この双子には明らかに他の子と違う部分があった。
「二人とも、降りなさい。それじゃ原田のおじさんが大変でしょ。それに抱っこされてセンターに行ったんじゃ、笑われるわよ」
「そうそう。これから君達はお偉い教授達と一緒になって勉強するんだ。このままじゃ「補助椅子が必要だ」なんていわれるぞ」ハハハと笑う原田の意見に、少しムッとして見せた表情は、やはり双子というか、同じ顔になった。そしてはじめにミトが降りると、続けてカイトも決まりが悪そうに地面に降りた。