マリア

 マリアは返事の変わりに小さく頷いた。
(その時血液検査もしたよね?)また頷く。
(その血液がね、僕の病気の研究の為にこの病院に運ばれてきたんだ。ちょっと、難しい話なんだけど……僕のこの病気を治すためにあらゆるDNAを掛け合わせて、ワクチンが出来ないか模索していた。それで僕のDNAと、特出した賭け合わせになる可能性がある血液をいろんな病院から取り寄せたんだ。そのひとつにマリアの血液があった)
「私の、血液が……?」