マリア

 マリアはあまりもの話しに唖然とした。そんなことが本当にあるのか。もしもそれが本当だとしたら、でも。マリアは徳二郎の話を頭の中で整理した。自閉症、言語障害。だけどどうにも腑に落ちない。徳二郎は先ほど年を取らないことが病だと言っていた。だとすればまだその理由がわからない。
「待って、それじゃあ徳二郎はどうして年を取らないの?頭が良すぎるからってそれが理由じゃないでしょう?」
 マリアの話に徳二郎は笑って答えた。
「そうだね。もちろんそれが理由じゃないよ。まだ先があるんだ。ごめんね。話すのが上手じゃないからうまく説明するのに時間がかかるんだ」
 マリアは首を振って、「大丈夫だよ徳二郎のペースで喋って」と徳二郎を安心させるように言った。