マリア

「あいかわらず僕はことばをしゃべらなかったけど、べんきょうはとてもよくできたんだ。小学校にあがってからも、ほとんどのことはわかった。頭の中ではぜんぶわかっていたんだ。ただ、ことばにするのがにがてなだけで。それで次に僕についた病名は“言語障害”だった」
 そうなのか。ということは喋ること以外は、他の人と何ら変わりないのではないか。だが、次に徳二郎から出たのは違う答えだった。
「そのときにね、いろいろテストをしたんだ。そしてそのテストでわかったこと。僕は頭が良すぎるんだって」