「あ、夢!!!!それ私のだよ!!」




「1つくらいイイだろ?」





「柴依瑠、俺のやるから…(笑)」




「夢のバカ!!」





フンとそっぽを向く夢、鬼瑠亜はいつもの鬼瑠亜になっていたので私も安心した。







「私花火見たかったなー。」




「また来年な、ニコ」




「来年またライブだったらオマエライブにでるだろ。」




「そ…、それはそうだけど…。」




"バカか"って顔をして歩く夢…ムカツク。





「ま、俺はどっちでもイイけどな。柴依瑠が一緒なら楽しいからな☆」




「鬼瑠亜…。夢とはホント違うくて優しいわ!!」




「悪かったな、ブタちゃん(笑)」





「ブ…ブタ!?!?こんのぉ~」






「おい、柴依瑠、浴衣で走り回るな!!転ぶぞ!!」






夢を追いかける私に鬼瑠亜の言葉は聞こえていなかった。







鬼瑠亜も仕方なく私たちのあとを追う。






「あ……」







ドン!!!!!!!!!





「いった~…急に止まらないでよ!!何?…」





ん?…夢の後ろから顔を出そうとすると…夢が振り向き言う。









「こんなとこまで来ちまったか、」





「確かに…出店少なくなってきてるよ、あっち。」





「オマエらなぁ…。」





「柴依瑠、戻るぞ。」






夢が私の体を鬼瑠亜に向けとっとと歩き出していった。







「もう、なんなのよ!!」







「そんなに怒るなって、行くぞ柴依瑠。」






「わかった……って、あ……あらら……!!!!」






せっかく鬼瑠亜に取ってもらったヨーヨーのゴムが切れて、人に流され後ろに転がってきた…。







追いかける私を鬼瑠亜も急いで追いかけてくる…が、人でなかなか追いつかない鬼瑠亜。












やっと止まったヨーヨーを拾い顔を上げる…目線の先には……











え……?









そう思った瞬間…








ガバッ!!!!!!!!






「鬼瑠亜?…」





「心配するだろ、1人で走るな。」







鬼瑠亜に抱きしめられた私……






でも…今……










「鬼瑠亜、今颯太がいた!!」





「いない。」





「いたもん!!!ほら!!」









そう言い体を放し振り向く……。