誰かの足音が聞こえて
走ってた私はもっと走った
全力で、ただ逃げたくて。

必死に走ったのにあかんかった
腕つかまれた。
(えっ待って…誰?)



足音は聞こえてた
それから当たり前に逃げてたけど
落ち着いて考えてみたら
誰かわからんかった

振り向いたそこには
そぅ。あの人がいました
私を変えてくれた
"拓"が。

拓は私らのたまり場で
1人だけ目立ってた
私、拓の事なんか気にしてなくて
(何か見たことある…)
そんな事思ってる時

汗だくになった拓は
『お前何考えてんねん!!』

(あったまり場の…)
こんなのんきな考えしてた。

『ちょっ何しに来たん?』
って言った私を拓は抱き締めた

『辛かったやろ
泣いてええで。我慢すんな
女は弱くてええ』

そんな暖かい拓の中で
私は泣いた
泣いて、泣いて、泣いて
ただただ泣いて
気がついたら知らん部屋におった。

良い匂いがして
柔らかい布団。


『ってここどこ?』
いきなり喋った私に拓は

『お前、おもろいな』
そう言って布団の横座った