私も思いすごしだったみたい。

 私は『ふう』っと息を吐くと、ごろんと横になった。













「あー、それは無い無い」と、理沙ちゃんが手を振ってケラケラと笑った。

 今は、仕事の休憩中。

 なかなか大輝さんから連絡が来なくて不安だったという話をした私に、理沙ちゃんが豪快に笑い飛ばした。

「お兄ちゃんは嫌なら、その場で嫌だってはっきり言う人だから。言わなかったってことは、嫌じゃないってこと。だから連絡が来ないのは、ただ単に忙しかったんだと思うよ。お兄ちゃん、仕事人間だから」

 理沙ちゃんが、鞄の中から小さな袋を取り出す。中から飴玉を出すと、ぱくっと口の中に放り込んだ。

「私、前に両親を亡くしてるって話したじゃん? ってことはお兄ちゃんにも両親がいないわけなんだけど……」

 当たり前か。と理沙ちゃんが苦笑する。