「じゃあそろそろ帰らないと親にまた怒られちゃうから帰るね」

そう言って皆がスイーツパークの前で解散していった時には既に8時を回っていた。

結局みんな帰ってしまい、私と理沙が最後まで残った。

「じゃあ私たちも帰ろっか。」

そう言って歩き出した時だった。

向こうから安藤さんが来た。

私たちは気付かなかったふりをして通り過ぎようとした。


「どうして私を避けるの?」


通り過ぎる時に安藤さんがつぶやいた。

つい振り向いてしまった。

「理沙……ごめんなさい。私のせいだったのよ。理沙は全然悪くなかったのよ…」

突然安藤さんが謝りだした。

「理沙なんて軽々しく呼ばないでよ!」

声を荒げた。

「私…私…」

安藤さんはしゃがみこんでしまった。

泣き虫とぶりっこが大嫌いだった。

「私、あんたのこと嫌いよ。正直学校にも来てほしくないと思ってるわ!」

「朱里、それは言いすぎだよ。」

つい本心が口に出てしまった。

「ごめん、先帰るわ。」

理沙を置いて走って先に帰った。

あそこから逃げたかったのだ。




この時私たちの運命の歯車は回り方を変えていた。