それに対して柴田の怒りは限界まで来ていた。
あと少しで手が出るという所で理沙が叫んだ。
「やめて~~もういいよ。安藤さんも反省しているんでしょ?」
理沙はやさしかった。
私なら……どうしていただろうか。
「なんで……私は宮田さんのためにしてあげたのに……」
いきなり安藤さんは私のせいにしてきた。
正直戸惑った。
「何言ってんだよ!朱里のため?友達の携帯を壊されることが何のためになるんだって言うんだよ」
そこはケンタが強く反論した。
「あなただって……」
そこに丁度先生が入ってきた。
クラスはぎくしゃくしたまんま授業に入っていった。
その日の帰りはケンタと二人で携帯ショップに行った。
朱里は明日誕生日なので二人で新しい携帯の本体をプレゼントしようと思ったのである。
「……ちょっと高いね。」
価格を見て思った。
理沙に似合っている携帯を探してやっと見つけたのがピンクの花の彫絵の付いた携帯だった。
だが価格は34000円と二人で割り勘しても高すぎた。
「やっぱ誕生日プレゼントに携帯は無理があったんだって。なんか他のもの考えようぜ!」
ケンタに賛同した。
結局2500円位のカピバラのぬいぐるみにした。
それを翌朝学校で二人で渡そうと思っていた。
するとプレゼントを渡す前に
「いいでしょ、これ。誕生日プレセントなんだ。」
と言って昨日買おうか悩んでいた携帯を見せてきた。
やっぱり買わなくて良かった。
「はい!」
と言って二人で紫色のカピバラのぬいぐるみを渡した。
「私にこれくれるの!?ありがとう。私カピバラ大好き~」
理沙が喜んでくれて少し安心した。
「今日これから空いてる?」
「うん。」
私は今日は暇だったが、ケンタは塾のはずだった。
「スイーツパークで誕生日会やってくれるってB組の中野さんが言ってくれたの。朱里も来ない?」
ぜひ行きたかった。
中野さんとは部活が一緒なので仲の良い方だった。
結局8人くらいでスイーツパークへ行った。
980円で1時間半、アイスやケーキ、フルーツが食べ放題なので女子高校生には人気のある店だった。
話した内容は恋話や音楽の話である。
あとは中野さんが持ってきたファッション雑誌を皆で読んでいた。
