退院した優歌
入院した俺
なんでだよ。
「れんーきたよ!」
「あぁ。」
学校帰りにくる桃と零音。
「一瞬で笑顔消すの
やめてくんない?」
笑いながらリンゴを差し出す桃。
「ゆうかは?」
「来てないよ、がっこー」
「家行ってもでねぇ」
「…………は??」
「早く退院していこーな」
零音…………
俺は優歌が退院した次の日
極度の疲労と精神的苦痛で倒れた
まぁ飯とかくってなかったし
しゃーねーか。
5日の入院を強いられ
優歌は悲痛な表情を見せた、
見たことないよーな。
やっちまった……そう思ったよ。
優歌の前で倒れるなんて
運ばれるなんて。
「………今日退院するわ」
20分後、優歌の家の前。
「蓮、ほんと知らないわよ?」
「大丈夫。ちゃんと食うから」
「ゆうかー??」
「………ゆうか!」
ベッドに、横たわる優歌は
驚くほど痩せていて
手首から流れる血液
「息。してる」
冷静な零音がほんとは
いつも一番辛いの、わかってる
黙って手当てするももが
泣きたいのも、わかってる
でも………
「うっ………はぁっ……っっっ」
癖になった過呼吸が
俺の弱さを知らしめる。
「蓮っっ」
すぐに袋を手渡す零音の顔
こらえきれずに泣く桃
青白く、人間味のない優歌
「ほら、お前も寝とけ」
優歌の横にねる。
すぐに目を閉じた。
眠るのは4日ぶりだ。

