ねぇ。




「優歌、ゆ…………ぇ?」
「ごめんなさい、おばさま。
 あたしといたにも関わらず
 優歌転んでしまって……」


そのあと桃は
顔からハデにとかどんくさいとか
お母さまと言いたい放題
あたしをけなしてた。



でもなんとかお母さまは
信じてくれて、今日は3人とも
あたしの家にお泊まりになった。



ほんと、感謝してるよみんな。
でもあたしにはまだ残ってる不安
やられてすぐに妊娠したか
してないかなんてわかるのかな?


そんなすぐに感染するものなの?
それにっ……こんなからだ
もうだれも愛せないよ。



「優歌??」
「…………ん???」
「入院ならなくてほんとよかった!」
明るい桃の笑顔。
あたしきっとみんなに
無理させてるよね。



桃の笑顔も蓮の優しさも
零音の強さもあたしのために
あるわけじゃないんだから。



「えへ、ありがと」
無理して口角をあげたら
唇の瘡蓋がつって痛かった
息をすうたびお腹が痛む
息をはくたび背中が痛む


息をするなっていわれてる
みたいだ。



「優歌?痛いね?大丈夫?」
桃の小さな手が、あたしの足を
優しくさすった。



「もも………」
涙が傷口にしみる
震えた体がずきずきする
もう何をしてても辛い