「いい子いい子」
なかなか寝付けないあたしのそばに
蓮はずっといてくれた。
「蓮、寝ていいよ?」
「そしたら優歌は寝れないよ?」
いつもの100倍優しい声で、笑顔で
あたしの頭を撫でてくれる。
蓮の息が微かに首にかかる。
それが心地よくて眠気が静かにせまる。
あいつの時はあんなに嫌だったのに。
今は思い出したくないことを
思い出してしまった。
背筋が凍りついた。
「だーいじょーぶ」
蓮は優しくあたしを抱き締めてくれる
なんか調子くるうよ、蓮。
優しすぎて………
「俺がそばにいるから、おやすみ」
「うん」
蓮の広い胸に顔を埋めて目をとじた。

