「ん……はっ!!!」 優歌が目を覚ました。 勢いよく起きたから全身に痛みが走ったらしい。 顔を歪めてまた横になった。 俺はどのタイミングで どう話しかければいいのか 困惑してた。 「………れん」 「優歌……大丈夫?」 「うん」 どういう意味の大丈夫なのかは わからなかった。 でも、優歌の笑顔は、 笑顔じゃなかった。 驚くほどに冷めた目で ひきつった頬で無理に口角をあげて。 まるであのころに戻ったように。 光を失っていた。