「優歌、どこにいらしたの?」 「お母様、お庭に……」 「心配するから栄太と一緒に…」 「ごめんなさい」 ばたん、とドアの音が響く。 同時に漏れたため息。 「ほんと、心配しすぎ」 あたしはある財閥に生まれた一人娘。 いわゆるお嬢様。 小さい頃から大切に大切に育てられてきたみたい。 たくさんの執事とメイドに囲まれて、 ふりふりのドレスでおじさんに笑顔を振り撒いて生きてきた。