不良狼の一途な溺愛


凄みのある声にビクッと体が震える。


ぎこちなく振り向くと、そこには早崎さんを真ん中にして、派手な女の子たち数人が横に並んで立っていた。


「一体、どういうつもり?」


ツカツカと詰め寄ってくる早崎さんたちの迫力は、半端ないくらい怖い。


「え、えっと…何がでしょうか…?」


震える声で、おそるおそる聞くとキッと鋭い目で睨まれてしまった。


「蓮のことに決まってるでしょ!!アンタみたいな女が何で蓮と親しげに話してるわけ!?」


ものすごい剣幕でまくし立てる。


廊下にいる生徒もビックリして、私たちの方に視線を向けるほどだ。


「い、いえ…別に親しげに話してなかったと思うんですが…」


「私の目の前で、蓮に堂々と話をするなんて、どういう神経してんのよ!」


「えっ…!?」


あれは、もともと紫堂君から話し掛けてきたんですけど…。


早崎さん、誤解してる…。