不良狼の一途な溺愛


「そっか、柚って俺と同じクラスなんだな。」


「は、はい…。」


紫堂君、入学式から殆ど教室に来てないから、私が同じクラスの人間だなんてこと、知るわけないよね…。


昨日、拾ってもらった学生証にもクラスの記載とか特にないし…。


当然と言えば当然の反応か…。


苦笑いを浮かべていると、紫堂君は私の隣の席に視線を向けた。


「隣の席、誰?まさか…男?」


心なしか、不機嫌そうになった感じがするんだけど、気のせい?


不思議に思いながら私は口を開いた。


「ち、違います。隣の席は誰もいないんです。このクラス、人数が奇数なので……。」


「ふーん…。」


それを聞いてどうなるんだろう…?


紫堂君には関係ないことのように思えるんだけど…。


頭の中で疑問符を並べていると、紫堂君は私の隣の席にドカッと腰をおろした。